マンション売却の注意点!流れや費用、税金と失敗しないためのNGとは
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マンション売却の最低限の売却の流れや諸費用、税金、失敗しないために知っておくべき基礎知識があるかないかだけで結果が大きく違ってきます。実は、少しだけでも、売却の流れや注意点、失敗しないコツを知ることで、スムーズにマンションを売却することができます。
多くの方は「できるだけ高く売りたい」「トラブルなく安心してマンション売却を行いたい」と思っていると思います。
だれでも高く・早く売りたいと考えています。両方が満たせるのが理想ですが、高く売りための方法とと早く売るための方法は、トレードオフの関係にあります。高く売るために値段を高くすると、時間がかかり、早く売ろうとして価格を下げると早くは売れるが、高くは売れないということになります。
どちらを重視するかによって、販売戦略・価格戦略は違ってきます。
営業マン選びで、売却は数百万円「売値」が変わる可能性があります。
今回は、マンション売却が初めてという方に、最低限知っておいて欲しい最低限の売却の流れや諸費用、税金、失敗しないために知っておくべき基礎知識を不動産業界歴20年以上のプロが解説していきます。
1.マンション売却の流れ
マンション売却は、中古戸建てと比較して、不動産取引としてはハードルが低く、素人でもある程度、売れる金額を把握することができます。
マンション売却では、売却の準備や価格査定、売却方法(仲介・買い取り・任意売却)・売買契約・引き渡しなどを行っていきます。
ポイントさえおさえていれば、大きな失敗をしませんので、まずは何をすべきか把握することから始めて、不動産流通の仕組みをきっちりと把握していくことが大切です。
マンション売却で、重要なポイントは、「適正価格の把握」と「媒介は迷ったら一般媒介」という2点だけです。この2点さえ抑えておけば、大きく失敗することはありません。
【ステップ1】査定を受ける
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スーモやホームズなどのポータルサイトで、ある程度相場感を養って、事前準備が整ったら、プロにマンションの適正価格を聞くために査定を受けることになります。
査定は、取引事例比較法という手法で査定をしますが、成約事例にもとづいていくらくらいで売れるのかを算出するだけです。素人でも、成約事例さえわかれば、ある程度目安はわかります。
売り出し価格は、現在の近隣の売り出し事例の価格のバランスを考えて、売り出し価格を決めていくことになります。査定を受けるに当たって重要なことは、適正価格を把握するということです。
角部屋やバルコニーの向き、部屋の状態や部屋の位置などによって多少価格が変わりますが、マンションはスペックが決まれば、売れる金額はある程度、決まります。そのため、訪問査定をしなくても机上査定でも、訪問査定とさほど査定における差は生まれません。これが、マンション売却の特徴です。中古戸建ての場合は、前面道路の状況等、役所調査や現地調査が必要になりますが、マンション売却においては、マンション名・専有面積・向き・間取り・階数等がわかれば、おおよその売却価格は算出することが可能です。
リフォームをするかしないかで迷うこともあると思いますが、中途半端なリフォームでは、その費用を価格にのせると、買い手に評価されにくい傾向があります。単純に相場より高いと思われるだけです。買い手は、リフォーム前提で検討していることが多いためです。有効なリフォームについては別の記事で解説していきます。
【ステップ3】売却方法を検討する
マンションの適正な売却価格が分かったら、売却方法を決めていきます。
マンション売却には主に仲介・買い取り・任意売却の3つの方法があります。
売り手が、高く売ることを重視するのか早く売ることを重視するのかで売却方法が違ってきます。高く売るなら仲介、早く売るなら買取で売却することになります。また、売却しても住宅ローンの残債より高く売れず抵当権を抹消する自己資金もない場合、任意売却で売却するしかありません。
また、任意売却以外にもマンション売却後に新しい不動産を購入するのであれば、住み替えローンを利用するいう選択肢もあります。抹消しきれない金額を、新規の住宅ローンにのせてくむ住宅ローンのことです。少し審査は厳しめになります。
このようにマンションを売却する際に何を優先したいのかで、売却方法が変わってきます。
仲介 | 買取 | 任意売却 | |
---|---|---|---|
売却額 | 高く売りたい | 売却相場の70%~80% | 金融機関と相談 |
銀行の許可 | 不要 | 不要 | 金融機関に必要 |
売却期間 | 3ヶ月~6ヶ月 | 1ヶ月 | 3ヶ月~6ヶ月 |
依頼先 | 仲介会社 | 仲介会社・買取業者 | 仲介会社 |
手数料 | 必要 | 不要・必要 | 必要 |
【ステップ4】不動産会社・営業マンを選ぶ
自宅のマンションの適正な売却価格、売却方針が固まってきたら、売却を依頼する営業マンを選びます。選ぶ注意点とすると高い査定額という理由だけで決めるのはNGです。査定価格=売れる価格ではありません。仲介会社は、買い取りをするわけではありません。
不動産取引は、1人の営業マンが、取引の最初から最後まで1人で完結させます。当然のことながら、商談の間に入るのも、依頼した営業マンです。不動産の営業マンは、大手であれ中小であれ結果がすべての個人経営者と同じです。売り手を理解して寄り添って動いてくれるかどうかは非常に重要です。
不動産業界は離職率の高い業界なので、どの会社も大手も中小も営業マンはピンキリです。信頼できる営業マンを見つけることが、マンション売却成功の第一歩となります。
営業マンの実力によってマンション売却の成功は大きく左右されると言っても過言ではありません。
【ステップ5】媒介契約を結ぶ
売却活動を任せたい営業マンを見つけたら媒介契約を結びます。
媒介契約とはマンションを売却依頼する契約のことで、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介と3種類の媒介契約があります。媒介契約を締結したら不動産会社は本格的に売却活動を行います。
契約期間は最長3ヶ月となり、3ヶ月以内に成約しない場合、更新書類に署名捺印して、売却活動を継続していきます。
一度契約をしてしまったら、契約期間中に契約を解除することは難しくなります。契約が切れた段階で別の不動産会社と契約するのは全く問題ないので、変更したい場合は更新のタイミングで変更するようにしましょう。
媒介契約時、用意しておくといいものは、身分証明書・権利証(登記識別情報)・管理規約・固定資産税納税通知書等が必要になります。新築時のパンフレットがあれば、よりスムーズに段取りができます。
この媒介契約のタイミングで、マンションの付帯設備表と告知書の提出をしておくのが理想です。営業マンが不具合を理解した上で、営業した方が、スムーズに商談を進めることができます。
【ステップ6】マンションの売り出し価格を決める
売却依頼する営業マンが決まったら、売り出すマンションの価格を決めなければいけません。
売り出し価格を決めるのは、マンションの所有者である売主が最終的に判断して決めることになります。
売り出し価格を決めるのは、売主です。
売り出し価格は、査定価格を参考にしながら、同じマンション内で売り出されている物件があればその価格や近隣の売り出し事例の値段のバランスを考え、自身の希望する売却希望額を加味しながら決めていきます。売り出し価格は、売り時を逃さないためにも、適切な価格設定が大切です。
マンションの売り出し価格は引き合い状況を確認しながら、値下げしたり価格改定をすることは可能です。
【ステップ7】売却活動・販売活動を開始する
マンションの売り出し価格が決まれば、広告活動を開始することができます。レインズ登録により全国の不動産会社に情報が拡散されていきます。
専任媒介の場合、囲い込みの温床になるため、レインズに登録しているからといって安心できるものではありません。
買い手は、ネットでの検索が家探しの主流のため、ポータルサイトへの掲載が主な販売活動になってきます。
反響があれば、内覧という流れになり、お互いの日時の調整を行い売り手側の営業マンは立ち会い(居住中の場合)を行います。居住中には、居住中のメリット・デメリットがあり、空き家の場合も空き家ならではのメリット・デメリットがあります。
部屋の様子・眺望・日当たり・部屋の広さの確認・使用状態・共用施設の状況・周辺の環境などを確認します。
内覧での第一印象は買主の意思決定に大きな影響を与えます。整理・整頓だけはきっちりとしておく必要があります。
関連記事:両手取引と片手取引の違いは?それぞれのメリット・デメリットの最低限知っておくべきこと
【ステップ8】売買契約を結ぶ
マンションを購入希望の買主が現われ、値段交渉等の条件面も、折り合いが付いたら売買契約を行います。
売買契約の前に物件の重要事項説明を行います。そのには、管理会社に依頼した重要事項調査依頼書の内容も記載していきます。管理費・修繕積立金の値上がり予定、大規模修繕の予定や過去の大規模修繕の状況や管理規約における重要な事柄等が記載されています。又重要事項には手付け解除・違約解除等解除に関しての取り決めやローン特約についての期日等も記載しています。売買契約書には売買価格・引き渡し期日、重要事項と重なる部分もありますが解除に関する取り決めや、固定資産税の日割りの取り決めや、特約には細かい取り決めを記載します。
中古マンションの取引では売買契約書は売主と買主が1通づつ印紙を貼って保管していくことが一般的です。署名・捺印を終了し、手付金のやりとりが終われば売買契約が完了となります。
それぞれの売買契約書には印紙税が発生し、収入印紙を貼ることで、納付となります。
契約後、買い手のローンの本審査の承認を得ることができれば、マンションを住宅ローンで購入している場合、抵当権抹消の手続きを行わなければいけません。
【ステップ9】決済(引き渡し)
売買契約書後、契約の期日までに引き渡しを行います。決済は、簡単に言いますとお金の精算することです。買主の利用する金融機関で決済することが多いです。ネット銀行の場合、仲介会社の事務所で行うことが多いです。
お金の精算が完了すれば、買い手に家の鍵や管理規約等を渡して完了となります。しかし、当日は売主・買主・双方の仲介営業マン、それぞれの司法書士が立ち会います。
決済は、その日のうちに所有権移転登記を完了させるために動いていきます。銀行によって違いますが午後1時~2時までに振り込みをしないと本日中の着金が間に合わず且つ法務局は平時の17時ごろまでしか窓口が開いていないので、決済は平日の午前中に行うことが一般的です。
【ステップ10】確定申告をする
家を売却したら、売却額を得ることになるので確定申告が必要になります。
確定申告は家を売却した年の翌年2月16日~3月15日までの間に申告が必要になります。
マンション売却にかかる費用はどれくらい?
マンション売却には、仲介手数料、印紙代、登記費用、譲渡所得税などの費用がかかります。
マンション売却で大部分を占めるのが仲介手数料です。
マンション売却時、下記のような費用が必要になります。
費用項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | (売却額×3%)+ 6万円 + 消費税 |
印紙税(契約書など貼付する印紙) | 1万円〜6万円 ※売却金額により異なる |
登記費用 | ・抵当権抹消費用 ・住所変更登記他 司法書士へ依頼するとして4~5万円程 |
ローンを一括返済するための費用(金融機関による) | 全額繰り上げ返済にかかる金融機関への手数料1~3万円 |
譲渡所得税・住民税・復興特別所得税 | 売却で得た利益に対してかかる費用 売却した年の1月1日での保有期間によって異なる ・保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63% ・保有期間が5年超なら譲渡所得の20.315% |
その他費用 | 引っ越し費用、ハウスクリーニング代など |
1.仲介手数料
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仲介手数料とは、買主を見つけてくれた不動産会社に支払う手数料で、あくまで成約報酬となりますので、契約しない限り発生しません。つまり売れないと仲介手数料は発生しません。
400万円超の場合、取引額の3%+6万円+消費税で計算できます。6万円を足せば下記の手間のかかる計算は不要です。
上限は法律で決められています。そのため、下がることはあっても仲介手数料だけで上限以上の金額を請求されることはありません。
売買価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売買価格の5%+消費税 |
200万円を超えて400万円以下の部分 | 売買価格の4%+消費税 |
400万円を超える部分 | 売買価格の3%+消費税 |
2.印紙代
売買契約書は課税文書です。そのため、印紙代がかかります。印紙代は税金です。印紙代は、取引価格に応じて異なります。例えば1,000万円超~5,000万円以下の取引の場合10,000円です。
3.登記費用
マンションを売却した際に発生する手続きを司法書士に依頼するのが一般的です。
売主から依頼を受けた司法書士は抵当権抹消の手続きを行います。住宅ローンを借り入れた際に銀行が購入するマンションに設定した抵当権(担保)を取り消す抵当権抹消の手続きは、買い手の住宅ローンの本審査承認後、決済日が確定したら、この日に是一括繰り上げ返済する申し出を行って、抹消書類を決済日に準備してもらえるよう動いておく必要があります。少なくとも、決済の1週間前には動かないと間に合わない可能性があります。また、フラット35の抹消には銀行よりも時間がかかります。
4.譲渡所得税
土地や建物を売ると、所得税がかかります。給与所得や事業所得とは、別に区分して計算する所得税です。売った土地の所有期間によって、税率は変わります。
3.マンション売却の注意点とNG
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マンション売却には注意点をきっちり認識しておかなければいけません。最低限の注意点を知れば、マンション売却のコツも見えてきます。
マンションを賢く売却するために、相場の下調べが一番大切です。相場感が養われていれば、営業マンの言動の本質がわかりやすくなります。
注意点1.査定額だけで不動産会社を選ばない
一括査定などを利用すると、相場からかけ離れた査定価格を提示されることがよくあります。 売れるはずのない査定価格を提示して、媒介契約を結ぼうとする手口が横行しています。営業マンの本音は、媒介契約さえとれればあとはなんとかなるという認識です。売れるはずのない価格で売りに出しますから、当然売れ残ってしまいます。売り手の不安が高まってくる時期を見て大幅な値下げ提案をして、両手取引を狙うのが一番の目的です。
査定額が一番高い不動産会社を選び、その価格で売却できず大幅な値下げをするケースはよくあります。結果的に相場より安くなってしまうことが多いです。値段を下げて売り出すことを「値ごなし」といわれます。大手では、今月、何件値ごなしできたかというのもノルマのうちです。
マンションの査定を受けたら、査定額だけでなくその根拠の確認が必要です。根拠があるだけでもダメでもう一歩踏み込んだ考察で、営業マンを選ぶことが大切です。
マンションの査定額は、取引事例比較法で、成約事例を基準にして、おおよそ3ヶ月以内くらいで売れる価格を提案します。査定額は仲介会社の思惑が加味されており、必ずその価格で売れると限りません。仲介会社は、査定した金額で買い取るわけではありません。口ではなんとでもいうことができます。
高すぎる査定額を本気で信じてマンションを売り出すと、売れ残り感が出て売れ残る原因になり売り時を逃します。
注意点2.かかる費用はなるべく抑える
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マンション売却にかかる費用の内、仲介手数料が大部分を占めます。売却する上で重要なことは、資金繰り的に問題がないかという点です。住宅ローンを組んでいれば、売却予定の物件に抵当権が設定されています。ローンの残債より高く売らなければ、売却することができません。自己資金で埋め合わせできるのであれば、売却することができます。
ポイントは、残債より高く売れるとしても、売却の諸費用が捻出できるのかが重要です。マンション売却にかかる費用の内、仲介手数料が大部分を占めます。やはり、仲介手数料の割引があれば、住み替えのハードルを大きく下げることができます。単純に3000万円くらいで、売却した場合、仲介手数料がざっくりと100万円くらいかかります。
マンション売却を賢く売却するにはかかる費用はなるべく抑えることが大切です。
仲介手数料は、売却価格が高くなればなるほど、金額が高くなります。つまり、マンションを売却する際にかかる費用が高くなればなるほど、手元に残る売却額は少なくなっていきます。
買い手は、リフォーム前提で検討することが多いです。中途半端なリフォームは不要です。仮にリフォーム費用で数百万かけたとしても、リフォーム費用をそのまま上乗せした価格で売却をするのは難しい傾向があります。価格をのせると割高な物件とみられてしまいます。費用を回収できない恐れがあります。状況によっては効果的なリフォームもあります。
注意点3.マンション売却はタイミングも重要
中古マンションに限らず、不動産市場全体的に毎年流れがあります。秋と春のシーズンです。買い手が通常の月よりも、1.5倍くらい動きがあります。9月~11月と1月後半~4月前半にかけて活発になります。
マンションの売り時を逃さないためには、不動産市場の毎年の動きも意識しておく必要があります。マンション市場が活発なタイミングを狙うことは大切です。
また、マンションを売るときは、自分の引っ越し先も探さなくてはなりません。
注意点4.競合物件との価格バランスを考え売り出し価格は慎重に!
マンション売却で一番気ががりなのは「売れ残る」のではないかという不安です。
適切な売り出し価格で売り出せば、3か月くらいで成約していきます。遅くとも半年程度で売れていきます。
ただ、流通性の低いマンションの場合は、少し長めのスパンで考えておく必要があります。
近隣のマンション売却相場をもとに、ギリギリの価格設定ができるかどうかが重要です。
マンションを売却するとき、売り出し価格を適正な価格設定をすれば必ず、早期成約につながります。どんなに高くても、適正価格から約1割高までに押さえた方が無難です。爪を伸ばしすぎるとしっぺ返しをくらい売り時を逃す可能性があります。
注意点5. マンション売却が得意な信頼できる営業マンに依頼する
不動産取引は、1人の営業マンが完結させます。営業マン1人1人は、会社に属してるとはいえ、個人経営者です。営業マンの力量が、マンション売却を成功に導けるかの重要なポイントになります。
不動産業界は、離職率の高い業界で回転が速いため、大手、中小を問わず入れ替わりが激しく、ピンキリの営業マンが属しています。
会社で選ぶより、営業マンを考察して選ぶことが大切です。また、自分たちの売却方針とそりが合うかも重要です。
マンション売却が得意な営業マンに依頼することをおすすめします。
注意点6. 自分に合う媒介契約方法を選ぶ!専任は避ける!
売主と不動産仲介会社が結ぶ、マンション売却契約のことを「媒介契約」といいます。
媒介契約は3種類あり、その中から自分の売却活動と合う契約方法を選ぶことになります。
- 専属選任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
「専属専任媒介契約」は売り手にとってメリットはありません。業者にとってのメリットだけです。
専任媒介契約にするか専任媒介にするか迷うところですが、迷ったら一般媒介にするというのが正しい答えです。
迷ったら、迷いなく一般媒介です。一般媒介を選んでいれば、失敗することはありません。
専任媒介では、窓口が1社で不動産仲介会社1社と媒介契約を結びます。それに対して一般媒介は、複数の窓口にすることができ、複数の不動産仲介会社と契約することができます。
また、一般媒介契約は、複数の不動産会社に競ってもらえるメリットがあるものの、多くの不動産会社と一般媒介を結ぶと、担当の営業マンのモチベーションが落ちるため、2社くらいに絞り込むのがベストです。営業マンのモチベーションを上げる施策を打つ必要があります。
レインズにも競って登録するので、7営業日ギリギリに登録するようなことは起きません。
注意点8. 売り時を逃さず売り切る判断ができるか
マンションを売るなら高く売りたいところですが、買主が現れても中古マンションの場合、価格交渉が入ることが多々あります。株式の世界にも「見切り千両」という言葉があるように、結果的によかったと考えれるように見切り価格の心の準備が必要です。
というのが、以外と販売初期のタイミングで、内容のいい買い手があらわれることがあるからです。その物件に意識の高い方ほど早いタイミングでアプローチしてきます。
初期のタイミングのお客様で成約になることもよくありますので、売り出し価格を高くしすぎていると、売り時を逃すリスクが生じます。
売り逃しを防ぎ、少しでも早くマンションを売りたい方は、納得できる「売り切り価格」を心に決めていくことが売り時を逃さない秘訣です。
マンション売却活動中の注意点
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営業マンを厳選して選び、その営業マンの所属している不動産会社と契約したら、いよいよマンションの売却活動に入ります。
1.営業マンのモチベーションを上げる施策を打つ
営業マンとの関係が、販売に大きな影響を与えます。結局、専任媒介であろうが一般媒介であろうが、その営業マンが、売れると思っていない限りなかなか積極的に動かない傾向があります。
そういった意味では、適切な売り出し価格で売り出すことは大変重要です。
特に大手の場合、毎月300万円~500万円のノルマがありますので、相場より高すぎるとモチベーションは落ちますし、営業マンとのそりがあわないとうまくいきません。
売却が始まったら「買主からの問い合わせ」特に「他社からの問い合わせ」など、営業マンとコミュニケーションをとるように注意してください。専任の場合「他社からの問い合わせ」は囲い込みを抑止するために常に意識しておかなければいけません。
特に、営業マンとのコミュニケーションは重要です。連絡を取らなければ、自分の案件を後回しにされてしまうこともあります。
不動産会社に忘れられないよう、営業マンのモチベーションを下げないように、コミュニケーションに気を配るとともに、営業マンの立場も踏まえた上で、コミュニケーションをすることが大切です。これは、メールでもかまいません。
2.部屋の整理・整頓は一番大切
ポータルサイトの反響や、レインズを通しての内覧希望があった場合、買主が部屋をみる「内覧」があります。内覧に備えて、第一印象がよくなるように整理整頓をしておくことが大切です。見た目がよくなるだけで、買い手の印象はかなり違ってきます。汚い部屋だと、買い手の購入後のすばらしい生活のイメージが浮かびにくく購買意欲は上がりにくいことになります。
また、においがきつくても印象が悪くなるので、内覧前には窓を開けて換気をしておくことが大切です。たばこを吸って、クロスが黒くなっているなど、買い手の印象があまりにも悪くなりそうであれば、ピンポイントでその部屋のクロスの張り替えだけリフォームするのも有りだと思います。
特に動物を飼っているもしくは、以前飼っていたことがある場合、換気は絶対に行った方がいいです。以前飼っていた場合でも、クロスや建具に匂いがしみついていることがあります。
水回りの掃除、換気など、清潔感に注意して内覧を行うことが大切です。また、スリッパを用意し、買主に明るく丁寧に対応することも大切です。奥の洋室や玄関が暗い場合、電気はつけっぱなしにして、明るい状態で、買主を迎えて下さい。
明るく清潔な部屋で、感じよく買主を迎えることが大切です。
買い手は、売却理由を気にします。売主の感じがいいかということも大きな影響を与えます。質問されたことだけ的確に答えるといい印象になると思います。
へたに売り手がセールスすると、売り急いでいるのかなにかあるのかと勘違いされる可能性が生まれます。
居住中の場合、どんな買い手かということを知ることができます。当然、売り手は値段だけでなく、思い入れのある自宅をどれだけ大切に引き継いでくれるのかということも大切なポイントです。
3.特に水回りは綺麗にしておく
内覧で失敗しないためにも、事前に掃除をして室内の清潔感を保つことが大切です。浴室などは、たまにしか手入れをしない方は、水垢がこびりついている可能性があります。できる限りこのような水垢やカビ等が目立たないようにしておくことがベストです。特に空き家の場合、じっくりとみられてしまいます。居住中の場合は、そこまでみられることはなく、1瞬だけみられるような感じで終わるでしょうが目立たないようにはしておく必要はあります。築年数が古くて、フルリノベーションが前提の場合、この限りではありません。
特に念入りに掃除・整理・整頓すべきところは玄関、リビング、キッチンやトイレなどの水回りです。
購入希望者にとっては、水回りに水垢があったり、キッチンが油で汚れていると、その物件の印象は一気に悪くなります。キッチンの床が油でベタベタしているのも印象が悪いです。
マンションを売り出していると急に「明日内覧したい」という要望が来ることもあるので、事前準備が大切です。
4.買主の住宅ローンが問題ないか
住宅ローンの事前審査の承認を得ても、ネット銀行だと本審査で否決になる可能性が十分にあります。ネット銀行では、担保評価を事前の段階で全くみていないためです。
特に、最近は、マンション価格が高騰しすぎているため、銀行の担保評価がついてこないところにまできています。売却する側としては、チャンスではありますが、買い手に住宅ローンがつかなければ売却することができません。
つまり注意すべきは、買主が買いたいと言ったとしても、物件が必ず売れるとは限りません。住宅ローンの審査次第では、前に進めることはできません。
契約が決まったからといって、うっかり手付金を使わないように注意してください。本審査が承認されるまでは、安心できません。
5.設備の不具合の告知を早い段階で買い手に伝える
買い手に不利になることは、先に伝えてしまった方が、トラブルにならず、結果的にうまくいく可能性が高まります。あとから、悪いことがでてくると、買い手の不信感につながり、トラブルにつながる可能性があります。先に伝えておくと信頼を得ることができます。
マンションを売るときには「契約不適合責任」に意識しておく必要があります。民法改正で、瑕疵担保責任が契約不適合責任になりました。
契約不適合責任とは、買主に売ったマンションに「契約内容に適合しない」品質を欠く瑕疵(かし)があった場合、売主が売却物件の瑕疵に対して補修や賠償を行うことです。
仮に、売主の契約不適合責任の免責で、契約をしたとしても、正直に告知をしていないとトラブルになります。
マンションの設備の告知を正確に行うことで、売却後のトラブルを防ぐことができます。媒介契約時、告知は「付帯設備表」および「告知書」に記入しておくのが理想です。
マンション売却後の注意点 確定申告を忘れずに行う
マンション売却後は、新居への引っ越しや、確定申告をしていくことになります。マンション売却後の注意点としては、確定申告を忘れずに行うことです。
マンションを売却したら、確定申告を行います。マンションの売却益は、所得税に関係するため申告漏れがないように注意が必要です。
売却益が出た際には3,000万円控除が利用できるか確認
マンションを売って利益が出た場合は、3000万円控除を使うのがベストです。
もし、マンションの売却額が購入金額よりも上回った場合は、マンションを売って利益を得た場合、譲渡所得税が発生します。譲渡所得税とは住民税・所得税・復興特別所得税からなる税金で税金の支払いが発生します。
しかし、譲渡所得税にはいくつかの条件を満たせば使える控除がいくつかあります。最も代表的なのは居住用財産3000万円特別控除の特例。今まで居住用として利用していたマンションを売却した際、売却益が出ても3000万円以内なら譲渡所得税を控除してくれるという特例です。
もし、売却益が3000万円以内であれば、譲渡所得税の支払いは不要になるということです。現在、中古マンションの売却額は年々値上がっています。税金の支払いで手元に残る売却額が少なくなってしまわないように、事前に3000万円控除の条件にはまっているか確認が必要です。
居住用財産3000万円特別控除の特例を使うのに必要な主な条件は以下になります。
適用条件 |
---|
土地譲渡契約が建物の取り壊し日から1年以内に締結されていること |
居住しなくなって、3年経過後の属する年の12月31日までの譲渡であること |
取り壊し後、譲渡契約締結日まで貸付その他業務の用に供していないこと |
マンション売却のよくある失敗例
マンション売却を失敗しないために、よくある失敗例をご紹介します。失敗する原因は、営業マン選びの失敗、価格設定の失敗などに、大きく分かれます。
1.マンション売却が不得意な営業マンに依頼して失敗した
マンション売却が不得意な営業マンに依頼すると失敗します。そのため、スムーズなマンション売却では営業マン選びが重要です。
一戸建てばかり扱いなれている営業マンもいればマンションばかり中心に取り扱いがなれている営業マンもいたりします。特に不動産業界は、大手や中小を問わず入れ替わりが激しいので、新人の営業マンに当たる確率もかなり高いと言うことです。不動産取引にそもそもなれていない場合、的を得た回答が返ってこない可能性もあります。また、質問するたびに、上司に確認しますという回答が多いケースもよく聞く話です。
マンションの場合、不動産会社は買主に対して、最新の重要事項調査依頼書や管理規約に基づき、重要事項説明を行わなければなりません。マンション特有のおさえるべきポイントがあります。そのため、マンションを売却する前には、数々の調査が必要になります。
一戸建てや土地は、道路や越境・境界等、専門性が高くなる案件です。戸建てには戸建ての押さえるべきポイントがあります。不慣れな不動産会社に依頼してしまうと、売却がスムーズに進まなくなるリスクがあります。
2.価格が相場と乖離して高すぎて売れ残った
このパターンが一番多いと思います。
マンション売却が失敗する理由の多くは、売り出し価格が相場と乖離して高過ぎることが原因です。
最近は、一括査定で、査定依頼するケースも多くなっていますが、どうしても媒介契約をとるために、相場と乖離した価格で査定価格を出して、絶対に売れないような金額で売り出して、売り時を逃して、最後、相場より安く売らざるを得なくなるパターンです。
査定価格は、仲介会社の思惑で高くなったり、低くなります。査定書は、ボタン一つで簡単に、金額をいじることができます。査定書はあってないようなものです。分厚いともっともらしくなりますが、大切なのは適正価格を知ることです。
マンションの売却では、逆に査定額が適正だったとしても、本人の希望で査定額よりも高く売りたいということがあります。ローンの残債を消すために高く売り出さざるを得ないこともあります。爪をのばしすぎると結果的に損をするケースが多いです。
本人の希望価格と売れる価格は異なるため、自分が設定した価格が高過ぎると、やはりマンション売却は上手く行きません。相場と乖離した価格で売り出すと、最初から全く相手にされず売れ残る確率がかなり高くなります。相場+1割が限界値だと思います。少し高いくらいなら、交通事故に遭う確率で、成約になる可能性はゼロではありません。ただ引き合い状況を見ながら、価格調整を適切にするかは大変大切です。
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